
形式選びで差がつく!
画像ファイルの特徴と実務での活用術
How to Select the Best Image Format for Web and Design Projects
Web制作の現場では、ロゴや写真などさまざまな画像データを扱います。中でも意外と軽視されがちなのが「画像のファイル形式」です。同じ画像でも、どの形式で扱うかによって、表示の鮮明さや編集のしやすさ、Webサイト全体のパフォーマンスに大きく影響します。
この記事では、代表的な画像形式の特徴と使い分けのポイントを分かりやすく解説します。特に、ロゴやバナーなどの受け渡しが発生するシーンにおいて、トラブルを防ぎ、やりとりをスムーズにするための参考になれば幸いです。
Text ラスター形式とベクター形式の基本的な違い
画像は大きく分けて「ラスター形式」と「ベクター形式」の2種類があります。ラスター形式は、細かい点(ピクセル)の集まりで構成されており、写真やグラデーションの表現に適しています。ただし、拡大すると画質が粗くなるというデメリットがあります。
一方、ベクター形式は線や図形の情報で構成されており、拡大・縮小しても画質が劣化しません。ロゴやアイコンなど、形が明確なビジュアルに適しています。用途に応じて、どちらの形式が適しているかを選ぶことで、きれいで無駄のないデザインにつながります。
Text よく使う画像形式と、その使い分け早わかり表
Web制作では用途によって最適な画像形式を使い分けることが求められます。
特に近年は、表示の美しさや軽さを両立できる形式としてSVGの活用も進んでいます。以下に、代表的な画像形式とその特徴を一覧でまとめました。
SVGってなにがそんなに便利?
SVGは「Scalable Vector Graphics」の略で、図形や線などを数式で表現するベクター形式の画像ファイルです。ロゴやアイコンなどのシンプルな図形を扱うのに適しており、拡大・縮小しても画質が劣化しないという特長があります。
また、ファイルサイズが非常に軽く、Webページの表示速度に影響を与えにくいため、Webデザインとの相性も良好です。HTMLやCSSと連携して、アニメーションや配色変更などのインタラクションを加えることもできます。
SVGはWeb向けに最適化された実用性の高い形式であり、多くの制作現場で広く活用されています。ロゴを納品・共有する際には、Illustrator編集用のAI形式とあわせてSVG形式も用意しておくことで、Webへの実装や再利用の幅が大きく広がります。
Text まとめ
画像のファイル形式を正しく理解して使い分けることは、Webサイトの品質を保つだけでなく、制作や修正のやりとりをスムーズに進めるうえでも重要です。特にロゴや図解などは、「AI形式(元データ)」「SVG形式(Web用)」「PNG形式(軽量な画像)」の3点セットで用意しておくと、どの媒体にも対応しやすくなります。画像の形式を正しく選ぶという小さな意識が、デザインの完成度や制作の効率に大きな差を生みます。
日々のやりとりの中で、形式の選び方を見直すきっかけとして、この記事を役立てていただければ幸いです。